令和8年8月千葉豪雨では、浸水被害の55.7%がハザードマップの想定区域“外”で発生したという分析が出ています。ハザードマップで安全とされる場所に住んでいても油断はできません。とくにアンダーパス(道路の立体交差の低い部分)は、豪雨時に短時間で危険な水位に達することがあるため、近づかないことが重要です。

令和8年8月千葉豪雨で何が起きたか

2026年8月13日から14日にかけて、線状降水帯の発生により千葉県で記録的な大雨となり、千葉市中央区では1時間に115.0mm、24時間で360mmを超える猛烈な雨が観測されました(いずれも観測史上1位)。この豪雨により死者13人・行方不明1人・負傷46人、住宅の全壊・半壊・浸水を合わせて3,600棟以上の被害が発生し、気象庁は「令和8年8月千葉豪雨」と命名しました。

なぜ想定区域外でも浸水するのか

ウェザーニューズが公開した分析によると、今回の浸水被害報告のうち55.7%は、ハザードマップの浸水想定区域外、または周囲より低くない地帯で発生していました。これは、1時間100mmを超えるような猛烈な雨では、河川の氾濫(外水氾濫)を待たずに、下水道や側溝の排水能力を超えた水があふれる「内水氾濫」が広い範囲で起きるためと考えられています。多くの自治体では、通常の(河川)ハザードマップとは別に「内水ハザードマップ」を公開しているため、あわせて確認しておくと自宅周辺のリスクをより正確に把握できます。

アンダーパスが特に危険な理由

アンダーパスは周囲より低い構造になっているため、大雨のときに水が集中しやすい場所です。今回の豪雨では、千葉市中央区のアンダーパスで排水ポンプが停電により停止し、非常用発電機も作動しなかったことで急速に冠水し、車が水没する死亡事故につながったとされています。国土交通省は、首都圏を含む全国のアンダーパスの冠水に改めて注意を呼びかけています。停電が起きると排水設備自体が止まる可能性がある、という点は見落としやすいポイントです。

自分でできる備え

  • 内水ハザードマップも確認する: 通常のハザードマップとあわせて、自治体の内水ハザードマップで自宅周辺のリスクを確認する
  • 周囲より低い土地・坂の下・谷になっていないか確認する: ハザードマップの想定区域外でも、地形的に水がたまりやすい場所は注意が必要。国土地理院の「地理院地図」で住所を検索すると自宅周辺の標高が分かるため、自宅・避難場所・避難ルート上の標高をそれぞれ調べて比較すると、周囲より低いくぼ地やアンダーパスなど冠水しやすい場所を見つけやすくなる
  • 冠水した道路・アンダーパスには絶対に進入しない: 迂回できるルートを事前に把握しておく
  • 記録的短時間大雨情報や線状降水帯の情報が出たら早めに行動する: 状況が急激に悪化する前に、明るいうちに避難や車の移動を済ませる

浸水後の後片付けに必要な道具や注意点は関連記事で解説しています。停電に備えたポータブル電源の準備もあわせて検討してみてください。